2025年_ヒバクシャ地球一周(Voyage120)

海を渡る九条!九条の世界的意義

「平和憲法」と呼ばれ、武力による解決を放棄した日本国憲法第九条。
その憲法を世界に広め、平和な世界をつくるために、東京の「千住九条の会」が立ち上げたのが「9条プレートを世界に送るプロジェクト」です。ピースボートもこの取り組みに賛同しています。
そのご縁から、2025年4月に出航したVoyage120でも船に9条プレートを載せ、11か国11団体へと届けました。
そして9月30日、千住九条の会主催で行われた「九条プレート贈呈報告会」に参加してきました。

報告会は、プロジェクトの賛同人の一人であるジャーナリスト・伊藤千尋さんのミニ講演から始まりました。
講演の中では、
・日本各地に憲法九条を記した碑があり、平和を願う人が多くいること
・その碑は日本国内だけでなく、世界各地にも存在していること
・「憲法九条の考え方は、戦後のアメリカ支配によって押し付けられ、自国を守る武力を持てないことは恥ずかしい」という誤った認識から、改憲に賛成する人がいることなどが語られました。
伊藤さんは、憲法九条は決して恥ずべきものではなく、当時の戦争を二度と繰り返さないために生まれた、誇るべき憲法であると強調しました。
また、戦争体験者が少なくなり、戦争被害の悲惨さを実体験として知らない世代が社会の中心になっていくこれからの時代には、「過去の戦争を繰り返さない」という意識が薄れ、再び戦争をする国になってしまうのではないか、と警鐘を鳴らしました。

講演中の伊藤千尋さん

伊藤千尋さんのミニ講演のあとは、2025年度の九条プレート贈呈報告が行われました。
九条を世界に贈るプロジェクト代表の大谷猛夫さんは、「南京大虐殺記念館」へプレートを贈呈した際の様子を報告しました。
「日本軍による被害を受けた人たちに、憲法九条がどのように受け取られるのか、直前まで予想がつかず緊張していた」という大谷さんの言葉は、ピースボートの船内で、さまざまな国や地域から乗船した人々を前に被爆者が被爆体験を語る場面と重なり、強く共感する印象的なエピソードでした。
伊藤さんの講演のほかにも、千住九条の会の中田さんや、九条の会・葛西の高橋さんらによる贈呈報告が続きました。

ピースボートからは、Voyage120で「ヒバクシャ地球一周 証言の航海(通称:おりづるプロジェクト)」を担当した橋本舞が報告を行いました。
おりづるプロジェクトでは、核廃絶を目指して活動する団体や、環境保護の視点から平和を訴える団体など、カウンターパートナーを含む11団体へ九条プレートを贈呈しました。
贈呈先の団体からは、
「憲法で戦争をしないと決めているのだから、日本はそのことをもっと他国に強く訴えてほしい」
「戦争をしないという選択は、人の命だけでなく、環境など地球全体を守ることにもつながる」
といった声が寄せられました。
私自身が九条プレートを贈呈した経験や他の方々の贈呈報告を聞きながら、平和を愛する想いを受け継ぎ、つないでいくためには「言葉を形にする」こともまた大切なツールなのだと感じました。

九条プレートを世界に贈るプロジェクトは、発足からこれまでに約80枚を世界各地へ届けてきました。現在は、100枚の贈呈を目標に取り組みが続けられています。九条プレートに関する詳細やお問い合わせは、下記「千住九条の会」まで。
https://senju9jyou.com/form

 

(文:橋本舞)

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