1.ヒバクシャ証言の航海

シンガポールでの寄港記者会見の様子/日本語訳

9月上旬に第2回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」についてシンガポールで記者会見が開催されましたが、その様子の日本語訳が完成しました。
今後の寄港地でも様々な活動を予定しておりますので、是非ご覧ください。

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日本の被爆者が日本の核武装の危険性について語る

シンガポール、2009年9月6日 (国際共同通信)

ピースボートの地球一周プログラムに参加中の日本人被爆者は、シンガポールで日曜日、戦争抑止のための日本による核武装を支持する市民の声に対し、全面的にその考えを否定した。

被爆者で元教師である大崎静子さん(69)は記者会見で、「抑止のためであろうと、日本は核を持つべきではない。核兵器は廃絶すべきだ。核戦争がどれほど非人道的で恐ろしいものか知っている私たちは、世界の列強に核兵器の使用の禁止を訴えたい。そのために私はこのプログラムに参加したのです」と述べた。

米国が長崎に原子爆弾を投下した時、大崎さんはまだ5歳で、爆心地から5キロメートルも離れていない地区に住んでいた。

原爆投下直後から、行方不明者を探しに市内を数日間歩き回った大崎さんの父親は、その8年後に亡くなった。

放射能を浴びたことによる健康問題を抱える多くの被爆者とは異なり、大崎さんにはその兆候が見られない。

10人の被爆者を含む約500名の日本人参加者に加え、日本国外からの参加者、およびNGO活動家がピースボートに乗船している。横浜を先月出航した彼らは、核兵器のない世界を訴えながら21カ国を訪問し地球を一周する。

12月11日に終わるこの旅において、彼らは自身の被爆体験や核兵器の脅威について世界の人々に訴える。

フィリピンのNGO国際対話イニシアティヴ(IID)の活動家ヴィクター・サパール氏は、「日本を核武装しようとする考えは、国家間における不安定感の強まりを示すものであり、非常に悲しいことだ」と述べた。

「国民を守ることは政府の基本的な責任だ。しかし、核武装は防衛どころか更なる脅威を招くだけだ」

また、同氏は核軍縮計画を“忠実”に守っていない国々があることにも触れた。

オランダの欧州紛争予防センター(ECCP)のマルテ・ヘレーマ氏も、同記者会見にて次のように述べた。「日本を核武装させるという考えは、東北アジア地域における新たな軍拡競争を促進するだけだ」

川崎哲氏は、民主党が東北アジアに非核地帯を設けることを党のマニフェストとして公約したことについて言及し、同党により近日発足する新政府がこの公約を直ちに法的な政策に変えるためには、市民社会の政府に対する要求が不可欠であることを訴えた。

サパール氏は、東南アジアは分離主義者や民族紛争で溢れており、それによって生まれた何万人もの避難民が、フィリピン南部のミンダナオ島やタイ南部のパッターニー、パプアニューギニア西部、ミャンマー北東部などの紛争地域で苦しんでいる。近年不安定な情勢が続いているミャンマー北東部では、何千人もの難民が中国へ避難した。

例えばミンダナオ島では、継続的な内戦により女性や子どもを含む60万人が国を追われ、飢餓と不治の病に苦しんでいる、と同氏は語った。

また、東南アジア地域における紛争解決のための有効なメカニズムを構築し、市民の権利が確実に守られるよう、国連と東南アジア諸国連合(ASEAN)に強く要請することも重要だと述べた。

2つ目の寄港地であるシンガポールに寄港する前に、被爆者を含む数名の参加者たちは、ベトナムのダナンにあるベトナム戦争被害者たちのリハビリテーション施設を訪問した。そこで出会ったのは、戦中にアメリカにより散布された枯れ葉剤“エージェント・オレンジ”の影響により、深刻な身体障害を負っていた被害者たちだった。

ピースボートが月曜日にセイシェルへ向け出港する前日の日曜日には、シンガポールの洋上で被爆者と中等教育を修了した10人のシンガポール人の学生達との間の夕食会が開かれる。

ピースボートは今後、ケニア、そしてヨーロッパへと航海を進めていく。

ピースボートは日本に拠点を置く国際NGOであり、世界平和促進のために1983年から毎年プログラムを提供している。

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英文はこちら
【シンガポール寄港記者会見から(英語)】
Japanese A-bomb survivors speak of dangers of a nuclear Japan
istockAnalyst.com (press release)
http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews/articleid/3461351

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