第一回おりづるに参加し、「核のない世界」のために草の根の活動を続ける橋爪文さんが、昨年12月ご自身の体験や放射能障害との闘いを記した新著『新版 少女・14歳の原爆体験記』が発売されました。
是非お読みになってみてください。
『新版 少女・14歳の原爆体験記』著:橋爪文
橋爪さんからの「広島から日本のみなさん、世界のみなさんへ」と題したメッセージを一部紹介します。
私は広島の被爆者で、東京在住、80歳です。
2011年3月11日、東日本大震災が起こり、続いて福島原発事故が発生したとき、私は66年前の原爆被爆と、その前後の市民たちの暮らしについて執筆中でした。
大半を書き終えていた私は、福島原発事故を痛く重く心に抱き、最終章は故郷の広島の原爆の原点にたって書き終えたいと思いました。
(中略)
私は被爆者として国の内外で反核を訴えてきました。それは原爆・水爆だけでなく、原発が地球上の生命を滅ぼす日が来ると恐れてのことです。
原発は正常に稼働しているときでさえ、常に微量の放射性物質を放出し、海、空、土を汚しています。微量放射線の危険性についても隠蔽しています。
地球上に生を受けているのは人間だけではありません。人間が自らの利得のために、ほかの生物を犠牲にするのは不遜ではないでしょうか?
自然と調和して生きていく道を拓くのが、人間の英知なのではないでしょうか?
また20世紀から21世紀に生きる私たちは、長い人類史のほんの一刻を与えられているに過ぎません。先建つから引き継ぎ、未来へバトンタッチをする、ほんの一刻を預かっているだけではないでしょうか?
私たち原爆被爆者や、原発事故・核実験などによる被曝者が一生苦しんできたように、福島原発事故による被曝者たちが、これから苦しみ続けることになります。避難所での厳しい生活にひたすら耐えている人々の様子が毎日報道されます。そんな中にあっても、無心な乳幼児、活力を失わない子供たちの姿に、渡した心を打たれると同時に、そこに希望をみるのです。放射能は、子供たちに特に大きな被害を与えて、彼らの成長を妨げます。それなのに政府や電力会社はこの狭い地震国・日本にさらに10基以上を立て続けるというのです。
放射能に国境はありません。
未来を拓く子供たちを救うためにも、世界中の皆さん。手に手を取り合って、反原発に向けて立ち上がりましょう!
(2011.3.29 『広島から日本のみなさん、世界のみなさんへ』より抜粋)
▼『新版 少女・14歳の原爆体験記』(高文研)
http://www.koubunken.co.jp/0475/0471.html
(インターン 蓮沼佑助)
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