1.ヒバクシャ証言の航海

【本船より】8月26日~31日、アウシュヴィッツ訪問!(1)

「継承」がテーマの今回の証言の航海。ヨーロッパの歴史教育のあり方や戦争体験の継承方法を学ぶため、8月26日~31日に、ナチス・ドイツの強制収容所であるアウシュヴィッツ・ビルケナウへ行ってきました。

5泊6日で訪れた今回の旅について2回に分けて報告します。

1回目の今回は、1)アウシュヴィッツ強制収容所見学、2)生還者タンジェラさんとの証言・交流会、についての報告です。

まずは、アウシュヴィッツ第一強制収容所の見学について。

    ピースボートのおりづるプロジェクト

案内をしてくれたのは、アウシュヴィッツで唯一の日本人ガイドを務める中谷剛さん。

    ピースボートのおりづるプロジェクト

横浜からシンガポールまで本船に乗船していただいた際に、おりづるプロジェクトで行なっている日々の勉強会や証言会に参加して頂いていた事から、信頼関係は抜群です!

    ピースボートのおりづるプロジェクト

    ピースボートのおりづるプロジェクト

当時のまま保存されている建物や遺留品を目の前に、アウシュヴィッツで起きたことの説明だけでなく、現代を生きる私たちが直面している社会的課題、一人一人の人間にはどうすることもできない集団のもつ力、人間の本質など。多角的な視点から様々な問題に関連づけながら、丁寧に案内してくださいました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト

    ピースボートのおりづるプロジェクト

    ピースボートのおりづるプロジェクト

$    ピースボートのおりづるプロジェクト

「どうしてこんなことが出来るのかしら。考え方が変わりそうだわ」

ポツリとこぼした、大村和子さんの言葉が印象的でした。

    ピースボートのおりづるプロジェクト
17歳のときに長崎で被爆した、大村和子さん

続いて、午後はアウシュヴィッツ強制収容所から奇跡的に生還したポーランド出身のタンジェラさんをお迎えして証言会を行ないました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト

現在90歳のタンジェラさん、悲しい歴史を二度と繰り返さないためにと、5~6年前から証言活動を始めたそうです。「ポーランド人」であるというただそれだけの理由でアウシュヴィッツに収用されることになった経緯、収容所において零下16度の外気の中で熱湯をかけられ放置されたというエピソード、収容所内の殺伐とした雰囲気、奇跡的な人との出会いがつながり収容所から脱出できたことなど。想像を絶する一つ一つのエピソードに、思わず息を呑んでしまう被爆者の姿も多く見受けられました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト

タンジェラさんの証言のあとは、17歳のときに長崎で入市被爆した大村さんが自身の原爆被害を証言しました。長崎へ原爆が投下された際に、偶然にも食料調達のため市外へ出かけていた大村さん。8月12日、家族の安否を確かめるために爆心地から500mの自宅へ向かった際に目にした光景、一瞬にして爆死した家族5人の遺体を自身で火葬し、お骨を拾い祖父母の家へ持ち帰ったことなど、淡々とお話される横で、タンジェラさんが丁寧にメモをとってらっしゃいました。

状況は違えど、同じ時代の中で戦争の傷跡を抱えながら生き抜いてきた生還者と被爆者。二度と繰り返さないために、次世代へ歴史の事実を伝えていかなければならないという想いは共通です。証言会のあとに設けた意見交換会では、それぞれが証言をするようになったきっかけや、若者に伝えたいメッセージなどを共有しました。

    ピースボートのおりづるプロジェクト
右から、大村和子さん、タンジェラさん(アウシュヴィッツ生還者)
八幡照子さん(8歳のとき広島被爆)

若者に伝えたいことは?という質問に対し、「とにかく選挙に行くこと!」と断言したタンジェラさんの言葉には、思わず拍手が起きる場面も。ヒトラーが民主主義の制度の中で国民から選出され構造的に大虐殺を行なったことの意味と、タンジェラさんの言葉の意味を重ね合わせてみると…うーん、難しいです。

過去の歴史に耳を傾け、他人と、そして自分自身と対話をしながら過ごす旅。次回は、ビルケナウ強制収容所と、地元の若者との意見交換会について報告
します!

(ピースボート古賀早織)
追記:被爆者のアウシュビッツ訪問は、以下のように報道されています。
Japanese atomic bomb survivors visit Auschwitz
29 August 2013

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