2015年7月25日、第8回おりづるプロジェクトは105日間の証言の航海を終えて、無事に帰国しました。遅くなってしまいましたが、クルーズ中の寄港地プログラム報告をさせていただきます。
記録ドキュメンタリー映像:『I Was Her Age /過去と今の対話』
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2015年6月6日、ノルウェーのベルゲンでの証言会は、直前まで雨が降っていたのですが、
私たちが現地に着くころには晴天に変わり、天気に恵まれた1日でした。
今日の証言会では、さまざまなパフォーマンスが用意され、いつもとは異なった証言会になりました。
まず、会の初めは、ピースボートの有志で行っている和太鼓の演技で始まりました。
日本の文化交流を目的に、この日のために多くの人が練習をしてくれました。街の広場で響き渡った太鼓の音は通行客を呼び寄せ、たくさんの群集の前で、素晴らしい太鼓の音を響かせました。ノルウェーの人たちは、初めて耳にする音の大きさと威勢のよい演者の動きに目が釘付けになっていました。
その後、図書館へ移動して証言会が始まりました。
証言会の前には、ノルウェーの方がフルートの演奏を返してくれました。
本日の証言担当は小谷孝子さんです。小谷さんはいつも腹話術で証言をされるのですが、今日は自分1人での証言会にチャレンジしました。
ピースボートの参加者やノルウェーの方々、70名がいる中で小谷さんらしい証言ができ、その言葉に涙を流す方もいました。
また、今回は6月12日にノルウェー議会で「核兵器禁止条約について、ノルウェー政府として発言していくのか」ということが採決されるということで、それにぜひとも前向きな姿勢を示して欲しいと、おりづるプロジェクト参加者の署名が入ったレターをベルゲン市に渡しました。
請願書を市議に直接渡しました
そのことがあったので、ユースのスピーチの際は、より現在の核軍縮に踏み込んだ発言をしました。NATOの一員であるにもかかわらず、勇気あるイニシアティブを取ったノルウェーに比べて、核の傘の下にいて曖昧な立場を取る日本についても発言をしました。
日本こそ、核兵器禁止条約へむけてのイニシアティブを取るべきですが、現状の政府はそうはなっていないのがとても残念です。
今回は、証言もユースのスピーチもより踏み込んだ発言ができました。
世界でも無理だと言われていたクラスター爆弾禁止条約のイニシアティブをノルウェーが取ったことを例に上げ、「核兵器禁止条約ができないはずはない」と訴えました。また「この禁止条約への機運を高めることが、長い間被爆の影響で苦しんでいる被爆者に何にも変えがたい継承になる」と語りました。
聞いてくださった方は真剣に耳を傾けてくれたので、私たちのメッセージが少しでも届き、核廃絶のムーブメントにさらなる加速をつけられればと思っています。
すべてのプログラム終了後には、図書館の外で南中ソーランの踊りを披露して現地の方々の注目を集めました。
(文・おりづるユース 鈴木慧南、スタッフ 渡辺里香 / 写真・鈴木慧南、エマ・バゴット)
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