1.ヒバクシャ証言の航海

記憶のない被爆証言@フランス

みなさまこんにちは。ピースボートの佐久間です。
現在ヨーロッパを航海している第95回クルーズでは、おりづるプロジェクトを一部区間で行う予定です。
それに先立ち、フランスのボルドーに寄港した際、船内で記者会見を行ない、地元メディアに取り上げていただきました。
その様子について時系列でご紹介いたします。
今回は、メディアからの要請を受け、船内でこのプロジェクトに協力してくださる被爆者の方がいないか呼びかけたところ、沖縄の被爆者団体に所属、活動されている中原冨美子(なかはら・ふみこ)さんが名乗り出てくださいました。
中原さんは広島で被爆され、現在は沖縄県にお住まいの方です。
原爆投下時は母の胎内におられた、いわゆる「胎内被爆」でした。なので原爆投下時の自身の経験をお話することはできません。
また中原さんはこれまで人前で「被爆証言」をしたことはないということなので、お父様の原爆の状況や原爆被害にまつわるお話を聞き取りし、二人で被爆証言を作成しました。
そうして準備をしつつ、迎えたボルドーの寄港(9月28日)。
船内での記者会見ということで、フリースペース「あん」の一部を利用し、フランス語や英語の原爆ポスターの展示等も行いました。
そして、今回は第10回のおりづるプロジェクトでも様々な寄港地でお世話になったICANフランスに所属、活躍されているJean-marie Collin(ジャンマリー・コリン)さんもこの会見のために飛行機を使って応援に駆けつけてくださいました。
記者会見を開始し、まず最初にピースボートの市塚より、ピースボートの活動を説明しました。

※メディアに囲まれながら記者会見が始まりました。

 

次に、私佐久間より、おりづるプロジェクトの概要を説明しました。

※佐久間からおりづるプロジェクトの説明をします。

 

そして、いよいよ中原さんの証言です。

原爆投下時の父の経験と、ご自身が生まれてからの健康被害などについて、主にお話がありました。

 

※初めて証言をする中原さん

中原さんは先述の通り被爆を直接経験してはいませんが、被爆の影響による健康被害に苦しめられてきました。
血小板減少によって幼い頃から貧血ですぐに倒れたり、またケガが人の三倍治りにくかったそうです。
また、原爆白内障や視力低下により、一時は片目を失明しかけ、手術した今でも非常に眼が悪いとのことでした。
他にも、被爆の影響によるものと断定は出来ませんが、生まれつき骨盤の変形があった影響か椎間板ヘルニアになったり、腕に力が入らなくなるなど、あげればキリがないほどです。
そのように、幼い頃から病気や健康上の異変と戦ってきた経験から語られるお話は説得力がありました。

最後に「人間が健康に生きる権利を奪う原爆は、非人道的な兵器であり、二度と、このような人間の尊厳を無視する兵器は使ってほしくありません。また、そうした現象を生み出す放射性物質を、利用してほしくありません。(…)そもそも、地球上の自然にないものを作り出すことがおかしいのです。(…)自然にないものは、作るべきではないのではないでしょうか。」

という言葉には、心に響くものがありました。

 

といった発言には、核兵器のみならず原子力そのものへの否定がこめられており、原発大国でもあるフランスで警鐘を鳴らしたと言えるのではないでしょうか。

※想いを力強く伝える中原さんの様子

続いて、ジャンマリーさんより現在の核兵器を巡る情勢について、お話をいただきました。

※世界の核情勢を伝えるジャンマリーさん

 

そしてその後は中原さんへの質問がいくつかありました。
例えば、「そのような健康状態のなかで家族は構成できたのですか?」といった質問や、「3.11の福島原発事故の後に、被爆者の方に話を聞こうというような動きは高まったのですか?」といった質問でした。
また、コメントとして「福島で原発被害に遭った方が差別を受けたのは、広島・長崎と同じことが繰り返されているのでは」といったような発言もありました。
その後のジャンマリーさんとの交流の中でもお話がありましたが、フランスは核兵器よりも原発の方が身近にあり、そちらの方が皆さん関心が高い、ということが、この質疑応答からも少し読み取れたように思います。

※記者の質問を受ける中原さん

 

そして質問が途切れたところで会見は終了となり、そのままTV局のインタビューがありました。
中原さんは目の前にカメラとマイクを向けられながらも終始堂々とされた態度でお話をされており、熱意の強さが感じられました。

※TVの撮影を受ける中原さん

 

最後に、今回のメンバーで記念写真を撮影しました。
今回言語面でのサポートに入ってくださったピースボートスタッフのレベッカ・ジスマヌ(英-仏)も、CC(コミュニケーション・コーディネーター:通訳)の松本にいなさん(英-日)も、お二人とも以前東京のピースボート事務局でイン
ターンをされていたということで、様
々な縁でこの会が出来たことに感謝しつつ、終了となりました。

※記念撮影

 

そしていよいよ第95回においてもおりづるプロジェクトが本格始動し、活動してまいります。
今後とも応援等、何卒宜しくお願い申し上げます。
ピースボート 佐久間

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