7.おりづるプロジェクト・オンライン

莫大な費用で核兵器を作っているインド。一人一人が考え動くことが大切

2021年2月4日ピースボートの「おりづるプロジェクト・オンライン」第14回目の証言会は、インドのデリー大学のビシャル・チョーダリー教授(Dr. Vishal  Chaudhary)の呼びかけで集まった学生320名に向けて開催しました。
今回の証言者・被爆二世の東野真理子さんは、戦後生まれ。被爆当時17歳であったお母さま智佐子さんとおばあ様の被爆体験をお話いただきました。
オンラインという場だからこそのトラブル(証言中にコネクションが切れる)もありましたが、インドの学生に被爆者の声を届けることができました。

私たちが求めているものは、平和か破壊か。

受け入れをしてくださった大学の教授であるチャル教授(Dr Charru Sharma)は、始めの挨拶で私たちが求めているのは平和なのか?それとも破壊なのか?と、問いかけました。
お互いを励ましあい、より良い平和な社会を実現するため、私たちのエネルギーをポジティブな形で表現しましょう。平和は外に求めるモノでなく、私たちの内なるところにある。今回の証言会から平和とは何かを考えるきっかけにしたいと学生たちに声をかけました。

チャル教授

ハチドリになれるかどうか-ひとりひとりが動くことが大切

会の中で、SDGs(持続可能な開発目標)の広報活動、気候変動のトレーナーをしているディープティ(Deepti)さんが、SDGsと核廃絶の繋がりを話してくれました。
そして、ケニアで環境活動をし、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんの映像を見ました。

映像の中では、山で大火事が起たとき大きな動物たちはただ黙って立ち尽くしている中、小さいハチドリだけが火事を前にして鎮火しようと小さな水滴を運び続けて頑張っている姿がありました。
それを見たワンガリ・マータイはこのハチドリのようになりたいと話すのです。

つまり、自分にできることを一生懸命にやることが大切であり、大きな達成の始まりの一歩であると訴えたのです。
現在も、私たちは極度の貧困・紛争・不正義・富の不均衡などの問題に直面しています。
今地球が直面している二大問題は、気候変動と核兵器問題です。
個人として何をするか(ハチドリになれるか)が問われています。

莫大な費用を投じ、核兵器を作っているインド。
2030年とそれ以降をに貧困・核兵器・プラスチックなど様々な問題に悩んでいない未来を創るために、ひとりひとりが考え動いていくことが大切であると話しました。

核兵器は三度使用されてはいけない-世界平和は私たちが作っていくもの

「ピカッ!と光り、ドーン!と音が聞こえてきた。
そのまま気を失い、目を覚ますと家の裏30メートル先の畑まで飛ばされていた。
家は傾き、屋根も窓も吹き飛ばされていた。頭からは血が流れ、足も動かない。

被爆の影響ではじけ飛びぶら下がった目を治すため、麻酔もないまま手術を受けた母は叫び声をあげ暴れる。まさに生き地獄だった。その後も薬も食料もなく苦しみ続けた。
生き残った者は、その日その日の食べ物をあさらないと生きていけない状況だった。
原子爆弾と普通の爆弾の大きな違いは、人体に悪影響を及ぼす放射線を出すかどうか。
放射線の体への悪影響は何十年たっても消えない。あの時受けた傷跡も心の傷も、75年たった今も消えないのが現実。

被爆二世への遺伝的な影響は証明されていないが、常に不安があるのが現実。」
これは証言の一部を抜粋したものですが、これだけでもあの日がどれだけ悲惨なものだったか、また原爆の脅威はあの瞬間だけでないことが伝わるかと思います。

証言の最後に東野さんは「世界平和はどこか遠いところにあるのではなく、どんな立場であれ、私たち一人ひとりが作っていくもので、心こそ大切だと思う。
平和の世界をつくるために、自分はどうすればいいのか、何をすればいいのか考えてください。」と学生たちに伝えました。
これは、私たち自身にも突き刺さる言葉でした。
日本の出来事であるが、どこか自分事として考えにくい過去のことのような感覚。
ですが、核兵器が世界に存在する限りいつ自分たちの身に降りかかってきてもおかしくないのです。証言会を通して改めて自身が起こす一つのアクションがどれだけ大切であるか再認識しました。

インドと日本で出来ること

学生は学ぶ以外にも政府に手紙を書いたり、声を上げたりできる。
被爆者の話を聞き、その次のアクションを起こすことも大切。
ピースボートやICANでは、政府や議員に働きかけを行い、条約への批准をお願いしています。
インドでも同じことができるのではと思っています。

世界を変えるのはキャンパスや自分の身の回りからも始められます。今回の証言を聞いた学生たちが今後私たちと一緒に活動してくれる日が来ることを楽しみにしています。

今回の証言会は、1週間にわたるピースウィークの最後のイベントとして開催されました。

 

ピースウィークのポスター部門・優勝作品

<メディア掲載>
2021年2月9日 ヒンディー語の新聞(Jagaran)
記事の件名は「世界の平和のために核兵器から距離をおくべき」(仮訳)

文:河合由実

編集:渡辺里香

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