7.おりづるプロジェクト・オンライン

イギリスの皆さん、核兵器「廃絶元年」おめでとうございます

2月20日、第15回目のオンライン証言会を行いました。
今回は、イギリスの反核団体であるCND(Campaign for Nuclear Disarmament)のスタッフや会員の100名とともに、核兵器の現状や課題についても考えました。
CNDの代表を務めるケイト・ハドソンさんの司会進行のもとで、証言会は始まりました。

「悲しみはこれだけでは終わらなかった。」

今回の証言をしてくださったのは三宅信雄さんです。
三宅さんの「皆さん、核兵器“廃絶元年”おめでとうございます。」という挨拶の後、三宅さんの証言映像を見ました。

映像では三宅さんが16歳の時の被爆体験だけでなく、その後の被爆した方の苦悩、広島・長崎の原爆投下の悲しみで終わることなく、核兵器が世界中に広がっていくことにより再び悲しみが起きたというところまで語られていました。

原爆投下当日の体験を語った後に「ここまでは昔話でありますが、悲しみはこれだけでは終わらなかった。」という言葉が三宅さんから出てきました。
戦後の世界は、広島型の原爆より何倍も威力の強い核兵器が大量に開発されてきました。
そうした中で日本での核兵器に対する意識が変わる、ビキニ環礁沖での水爆実験が起きました。


周辺の島の人たちはもちろんのこと、日本のマグロ漁船の人たちも被爆し、そのマグロが一部市場に出回ってしまい、当時の日本の主婦たちが反対の声を上げることで核兵器に対する恐ろしさというものが、日本だけでなく世界で広がるようになったのです。
それまでは被爆者は差別されてしまうがゆえに、声を上げることはありませんでしたが、これを機に政府に対して補償を求めるなど声を上げていきました。

と当時の状況をわかりやすく説明してくださった三宅さん。悲しみが終わらなかったからこそ、三宅さんは被爆体験をお話しする活動を始め、今もなお続けているのだと感じました。

核兵器廃絶は必ず実現する

証言映像の後、三宅さんから核兵器の現状と日本の課題についてのお話がありました。
核兵器禁止条約について、「60年以上にわたる被爆者たちの証言活動や、CNDのように世界中の反核団体による長年の核兵器廃絶運動に対する成果だと思います。」と三宅さんはおっしゃいました。
一方で核保有国であるイギリスや、アメリカと軍事同盟のある日本やNATOの国々は反対しており、実際に核兵器が廃絶されるには長い年月がかかるだろうとも語られました。

「しかし、私は核兵器廃絶は必ず実現すると信じております。」と三宅さんの確信に満ちた言葉が出ました。
理由は核兵器禁止条約により、核兵器は絶対に悪だという事が認められ国際社会の考えが変わったこと、そして価値観は変わるものだという事です。
価値観が変わる事の例で、アメリカの奴隷制度の廃止、婦人参政権の獲得、そしてアパルトヘイトの廃止を挙げられました。
以上の歴史と同じように、核兵器禁止条約という国際条約が出来たことで、いつか核なき世界が当たり前になるという説得力のあるお話でした。

若い世代への期待

次に、日本や世界でこれから取り組むべき活動についての話題に移りました。
◆日本は、国会議員や地方議員への働きかけ、核抑止論は誤りだということを国際社会に対して説得すること、締約国会議にオブザーバーとして参加する事など、具体的な行動すべきことを挙げられました。

ここでCNDの代表であるケイトさんから「私たちの団体も、イギリス政府に核兵器禁止条約の会議へのオブザーバー参加を要請しています」との後押しもありました。

◆日本はもちろん、他国でも一般市民への伝達、啓蒙活動、核兵器廃絶へ向けて世論を高めていく必要性があるという事も語られました。
核戦争になったら敵味方関係なく人類の滅亡へと繋がってしまうがゆえに、核兵器の問題というものは、一国の安全保障ではなくて人類の安全保障を考えることが大事だという言葉に、改めて世界で取り組んでいく必要のある課題なのだと感じました。

そしてこれらの事は、これからの若い世代が取り組む必要があるのだと強く感じました。
三宅さんは「これまでの様々な活動の中でも、若い人が精力的に活動していて、これからも精力的に活動してくれることを期待しています。」と言われ、私たちは三宅さんの思いを心に留めました。

その後質疑応答の時間に移り、時間の許す限り皆さんの鋭い質問に一つ一つ丁寧に三宅さんは答えられました。

証言会を通じて

私たちの世代は、核兵器のない世界が当たり前だという価値観をこれから築き上げていく必要性があるのだと強く感じました。
またその世界が来るのを待っているのではなく、核兵器禁止条約が発効され核兵器“廃絶元年”に立った今、具体的に行動に移していくことがこれからの世代には必要であると改めて今回の証言会を通して思いました。
このプロジェクトもその過程の一つになれるように、取り組んでいきたいと思います。

証言会全体の映像アーカイブ

https://www.facebook.com/CNDuk/videos/224214222747059/

文・執柄詩衣莉
編集・渡辺里香

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