7.おりづるプロジェクト・オンライン

「マレーシアには核兵器はありませんが、反核活動は社会の責任」

4月14日、マレーシアのトゥンク・アブドゥル・ラーマン大学(Tunku Abdul Rahman University College)で、「核兵器に反対する若者」を特集したNuke-Clearキャンペーンの一環として、第20回証言会が開催されました。

このキャンペーンは学生が中心となって1ヶ月間行われるもので、開会式で同大学のデアルナ・キー・ジュン・チェン(Dearna Kee June Chen)学部長は「世界の政治から個人の決断まで、若者が世界を変えるのに大きな影響を与えたことは必然的なことです。彼らは、平和で調和のとれた文明的なコミュニティーへと導く、世界的な変化をもたらす世代的な力なのです。このキャンペーンは、より明るい未来のための平和的な革命です。今日の若者は明日のリーダーです」と、若者に対する高い志を示しました。

また、リー・シュー・ウェイ(Dr Lee Sze Wei)同大学学長は、「マレーシアには核兵器はないが、すべての教育者、学生、社会は、若者や未来の世代に反核活動の重要性を教育する責任がある」とスピーチしました。

その後、ピースボートの渡辺里香が、核兵器禁止条約(TPNW)への支援について理解を深めたい約200名の参加者に向けて、オンライン証言会を紹介しました。続いて、6歳の時に広島で被爆した小谷孝子さんの証言が行われました。

小谷さんは、人形を持ってスクリーンに登場し、参加者の注目を集めました。幼稚園教諭時代に培った腹話術を駆使して、1945年8月6日のことをゆっくりと語り始めました。彼女は爆心地から2.5kmの自宅で被爆し、家の下敷きになりましたが、軽傷ですみました。姉弟のうち、弟(3歳)は全身大火傷で死亡、姉兄は大けがを負いましたが一命を取り留めました。小谷さんは、小学生の時に母親を白血病で亡くして以来、自分が被爆者であることを公表していませんでしが、2005年に知人に励まされ、証言するようになりました。お姉さんからも「死んでいった人、苦しんでいた人に命をもらったのだから、その人の分まで生きなさい。彼らの大きな悲しみを共有し、彼らの物語を決して風化させないようにすること。それがあなたの使命」と励まされたと言います。この励ましと、学校を訪問して生徒たちの感動する姿を目にしたことが、語り部としての活動を続けるきっかけになっているそうです。

質疑応答では、「もう生きていたくないと思ったことはありますか」「今でも一番辛い記憶は何ですか」「何があなたを前へ向かわせるのですか」「マレーシアの若者に何を期待していますか」など、多くの質問を受けました。これらの質問に答える中で、小谷さんは何度も若者の役割の重要性を強調し、日本や世界各地の学校での証言活動を通じて出会った学生たちにどれだけ勇気づけられたかを語ってくれました。(小谷さんは、2015年におりづるプロジェクトで23カ国24都市を訪れ、核兵器の人道的側面への認識を高めるために証言や体験を伝えました。)

小谷さんとの出会いは、参加者にとってNuke-Clearキャンペーンを継続的に進めていくための動機付けとなりました。その反響の一部を紹介します。
Nuke-Clearキャンペーンアドバイザーのイーオウ・ライ・チー(Yeow Lai Chee)さんは、「多くの若者が協力して核兵器に反対していることを知り、次世代のために核兵器を廃絶し、核のない世界を築くためにこの運動をさらに進めようと思った」と述べました。

そして、最後にこのオンライン証言会のボランティアスタッフの本間のどかさんが折り紙で折り鶴を折るワークショップをしました。参加者は事前に準備していた折り紙で楽しそうに参加していました。

現地の新聞にも掲載されました。

新聞「星洲日報」に掲載されました

文:渡辺里香

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