2025年_ヒバクシャ地球一周(Voyage120)

対話と友情が築く東北アジアの未来 in中国・深圳

4月28日、横浜を出港して5日目、ついに最初の寄港地、中国・深圳に到着しました。
ターミナルには「欢迎和平之船!Welcome to Shenzhen!」のメッセージが至る所に掲げられており、心温まる歓迎ムードの中到着しました。

私たち「おりづるプロジェクト」のメンバーは、まずターミナルで本場の美味しい中華料理をいただいた後、船内で開催されたイベント”Time for Peace ~Building Peace and Friendship in Northeast Asia~” (今こそ平和の時~北東アジアに平和と友情を築く~)に参加しました。

このイベントには、武力紛争の予防に取り組む市民社会の国際ネットワーク「GPPAC Northeast Asia/武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ東北アジア」、中国の民間シンクタンクで平和構築を推進する「Charhar Institute/チャハル・インスティテュート(察哈尔学会)」、日本・韓国・中国・モンゴルなどで平和教育をおこなう「Northeast Asia Regional Peacebuilding Institute(NARPI)/東北アジア平和構築インスティテュート」、そして「Belt and Round Culture Exchange Foundation for Women」など、約50名の方々が参加し、平和をテーマにした対話が交わされました。

まずはゲストの皆さまに船内の「ノーベル平和賞洋上特別展」をご覧いただきました。
「小さな展示室から大きなメッセージを受け取り、とても心を動かされた。」と、ある参加者の方より感想をいただきました。

その後のトークイベントでは、各団体の代表によるスピーチがおこなわれました。
おりづるプロジェクトからは、長崎で生後7ヶ月の時に被爆された福島富子さんが登壇され、自身の被爆体験や着物を通じた証言活動、そしてそこに託された平和への想いについて語ってくださりました。
富子さんは証言の前に、日本が過去にアジア諸国に対しておこなった侵略や加害の歴史について触れ、深く心を痛めていること、そして、日本人としての謝罪の気持ちをゲストの方々へ伝えました。

着物姿で証言を語る福島富子さん

 

続いて南京大学の教授のLiu Chengさんは、「父親は南京大虐殺の生存者です」とスピーチの冒頭で話されました。そして、「私たちは宗教や国籍、様々な違いがある。でも、私たちは違いよりも共通点の方が実は多いのです。違いに目を向けることは争いに繋がります。違いではなく共通点に目を向け、平和に向けて共に動きましょう」と、とても力強いメッセージを届けてくださりました。
また、NARPI代表のLee Jaeyoungさんは、「朝鮮半島にルーツを持つ父親は第二次世界大戦中に日本に住んでいたが、原爆投下後に韓国に戻りました。原爆投下があったから韓国に帰ることができたという父の言葉と過去の歴史から、私は反日感情を抱いていました。でも、2002年に広島を訪れてからその気持ちは変わりました。勇気を持って語り継いでいる被爆者に敬意を示したいです。今こそ世界が一丸となって、平和に向かうべきなのです」と、自身の経験を踏まえて平和への想いを共有してくださいました。

NARPI代表・Lee Jaeyoungさん

 

様々なバックグラウンドの人たちが集いつつも、互いを受け入れる安心した空間で対話が出来るピースボート。そんな環境は「平和教育にぴったりの場所だ」とゲストのみなさんは仰っていました。戦争の歴史をさまざまな立場から見つめ直し、生の声に耳を傾けることで、私たちは過去から何を学ぶべきかを考える貴重な時間となりました。

異なるバックグラウンドや人種、立場を越えて、いかに平和を築いていくか、ともに「平和」という同じ願いを持つ仲間たちと心を通わせた、かけがえのない対話の時間になりました。

ゲストと交流する富子さん

 

(文:高尾桃子)

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