1.ヒバクシャ証言の航海

【報告】おりづるユース特使として地球一周を経験して

こんにちは。
第6回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」おりづるユース特使の瀬戸麻由です。

船旅が終わって、早1ヶ月が経ちました。
横浜帰航の翌日から大学の授業が始まり、慌しい東京の日常を送っていますが、おりづるプロジェクトでは、すでに次の航海の「おりづるユース特使」の募集が始まっています。

改めて、地球一周を通して私がおりづるユース特使として学んだこと、考えたことを振り返りたいと思います。

$    ピースボートのおりづるプロジェクト

「ヒバクシャと共に地球を一周する中で、核兵器の被害の実相を世界に伝えること」が、おりづるユース特使の役割です。

具体的にどういうことをすればいいのか?
=ヒバクシャのメッセージがより相手に伝わるにはどうすればいいのか?
この疑問と向き合いながら、スタッフのみなさん、ヒバクシャのみなさんと毎日話合い、証言会に向けて準備し、そして各地で実践していく。その繰り返しです。

「こういう方法で伝えられるのでは」と考えて、それを寄港地で実践し、振り返って次に活かすことができるのはとても大きかったと思います。
とはいえ、初めての取り組みでもあり、まずは「証言会」を作り上げることが大変でした。

ヒバクシャのみなさんの被爆体験や伝えたいことを一緒に原稿にするところから、映像を使うべきか、会場に原爆被害の写真を展示するべきか等検討して準備し、若者として自分がその場で何を発言すればいいのかを考えます。

$    ピースボートのおりづるプロジェクト

証言会は、ただ70年前に起きた出来事を語るための場ではありません。今日私たちが抱える核問題の解決に向けて、より深く核の恐怖を理解するために、真摯な姿勢でヒバクシャの声に耳を傾ける場です。その場で彼らのメッセージを受け取った人に、問題意識を共有して行動を起こしていく仲間になってもらいたいのです。

だからこそ、被爆証言の前後に世界の核情勢や現地の原発事情、日本との関係や現地の戦争経験などに触れて、目の前のヒバクシャの声がいかに「今この場にいる自分たち」につながっているのかを考えてもらうことも、ユースとしての役割でした。

$    ピースボートのおりづるプロジェクト

私が初めて被爆証言を聞いたのは、2011年にパッセンジャーとして参加した第4回「証言の航海」でした。おりづるパートナーとしてプロジェクトに関わる中で、「ヒバクシャの声を直接聴けるのは私たちの世代が最後かもしれない」と危機感を感じ、もっと同世代のみんなに彼らの話を聞いてほしい!と思って活動していました。

しかし今回クルーズを通して被爆証言と向き合い、「どう伝えるか?」を議論する間に、
「なぜ、自分はこの問題に取り組むのか?」
ということを繰り返し自分に問う機会がありました。

その中で、「一生懸命活動されているヒバクシャさんたちのお手伝い」ではなく、「私も、核のない世界を目指したい。だからこそヒバクシャの声に耳を傾ける場づくりを一緒に行いたい」というふうに意識が変化していきました。ヒバクシャの声を継承することは、私たちの世代で「核のない世界」の実現に向けて確実に歩んでいくことだと思います。

船内や寄港地での様々な出会いは、これからの人生の貴重な財産です。日本の普段の生活ではもちろん、自分で旅をしているだけでは会えないような人たちばかりでした。
一緒に活動したコーディネーターの古賀さん、Webレポーターのアリくん、ヒバクシャのみなさんのみならず、おりづるパートナーとしてプロジェクトに関わってくれた仲間たち。
水先案内人のみなさんや、各寄港地で証言会を通して関わった方々。

このような機会を得られたことに、心から感謝しています。

$    ピースボートのおりづるプロジェクト

これからも、船旅を通して出会った人と関わる中で、自分にできることを模索していきたいと思います。まずは日本中にいる核問題に関心を持っている若者たちがゆるやかにつながれるように、今度は足元の日本で仲間の輪を広げていきたいです。

大きなミッションとやりがいを持って旅をし、様々な出会い・体験を得られる「おりづるユース特使」。少しでも興味のある方は是非、次春のプロジェクトに応募してみてください!

★第7回「証言の航海」おりづるユース特使募集の記事はコチラ
★フランス・マルセイユでのエコハウス訪問の記事はコチラ

(おりづるユース特使 瀬戸麻由)

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